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FD研修

Accuray Madison Training Center, Froedtert Hospitalにおける研修報告

研修期間2018年3月6日~3月9日
参加メンバー岡山大学 黒田 昌弘(医師)、笈田 将皇(診療放射線技師/医学物理士)、
     河合 佑太(診療放射線技師/医学物理士)
徳島大学 富永 正英(診療放射線技師)、山田 健二(診療放射線技師)、福良 亮介(診療放射線技師)
報告者岡山大学 河合 佑太

中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアムの海外FD研修として、ACCURAY社ワークショップ(2018年3月6日~9日)へ参加してきたので、その概要を報告する。今回参加したワークショップの主な内容は、ACCURAY社の工場見学、放射線治療装置の技術解説と実機デモ、Froedtert Hospitalへの病院見学であった。

1日目(3月6日)

MadisonにあるACCURAY社を訪問し研修を受けた。午前中にオリエンテーションおよび製品工場の見学を行い、午後から放射線治療装置であるTomotherapy、CyberKnifeに関する技術解説を受けた。照射ヘッドが組み立て前の状態やバイナリーMLCの動作試験を見学できたことは普段は経験できないことであり、貴重な経験であった。Tomotherapyは日本ではIMRT専用機として知られているが、ヘリカル照射で体軸方向に非常に長い照射野を作ることができる点が特に有益であると感じた。

1日目1枚目
1日目2枚目

2日目(3月7日)

前日の研修と同様にACCURAY社にて研修を受けた。午前中はTomotherapyの実機デモ、午後からは治療計画装置やQAに関するデモとディスカッションを行った。人体ファントムを使用し、セットアップから照射までのワークフローを体験し、普段の照射業務のワークフローと比較することで、両者のメリットとデメリットを考える良い機会となった。治療計画装置のデモにおいては、搭載されているAuto SegmentationやDeformable Image Registrationが、マンパワーの少ない日本にとって非常に有益なソフトウェア技術であると感じた。ただし、実際導入することを考えると、ワークフローマップを作成し、職種ごとの役割分担をはっきりとさせる必要があると感じた。QAのディスカッションではTomotherapyの線量測定の方法について質問したが、汎用型リニアックとは異なる部分が多く新鮮であった。

2日目1枚目
2日目2枚目

3日目(3月8日)

臨床現場の施設見学でMilwaukeeにあるFroedtert Hospitalを訪問した。まず、施設の大きさに驚いたが、放射線治療の現場でも、マンパワーの多さと完全分業制といった点には驚かされた。Therapist 、Dosimetrist 、Physicistがそれぞれの仕事を行っており、それぞれの専門性の高さが伺えたが、一方で一連の業務を幅広く担当する日本の放射線治療を専門とする診療放射線技師(医学物理士)の方が良い面も感じることができた。また、X.Allen Li先生の講演ではOff Line Adaptive Radiation Therapyに関して、大変勉強になる話を聞くことができた。特に体形変化や腫瘍縮小に対して再計画を介入させるタイミングを、主観ではなくIGRT画像を利用して治療計画で再現し、DVH等の線量制約に基づいて決定する点には大変感銘を受けた。

3日目1枚目

4日目(3月9日)

最終日は滞在ホテルのMeeting Roomにて日本アキュレイの中林氏より、本研修で受けた内容に関する詳細な説明を受けた。その後、研修で生じた疑問を質問させていただき、ディスカッションを行った。研修中は英語での説明であったため、細かい部分の理解が不足していたが、ディスカッションを通じて、理解を深めることができた。研修前はTomotherapyの知識が乏しかったが、照射技術や治療計画、QAに関して知識を深めることができた研修となった。

本研修を行うにあたり、FDワーキングの皆様をはじめ、事務の皆様のご尽力があり、このような研修をさせていただいたと思っております。心より御礼申し上げます。

文責 岡山大学 河合 佑太

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