国立がんセンター中央病院における研修報告
研修期間 | 2008年10月1日~12月31日 |
報告者 | 徳島大学 近清 素也(医師) |
研修先 | 国立がんセンター中央病院 胃外科(10月、11月)、緩和医療科(12月) |
研修目的 | 胃がん治療に対する標準的治療、知識・手技の習得、がん診療におけるがん末期患者の終末期医療・疼痛管理などの基本的な考え方、知識、手技の習得 |
国立がんセンター中央病院
- 定床
- 600床
- 平均在院日数
- 14日
- 外来患者
- 1,100~1,200人
- 通院治療センター
- 抗がん剤治療;80~100人/日
- 胃外科
- 30床
年間手術症例約700例 - 緩和医療科
- 緩和ケア病棟はなし
各科併診患者は約20名
10月1日~11月30日
胃外科
- 手術の見学・助手としての参加
- 病理検体の処理
- 各カンファレンスの参加
- 胃がん以外のカンファレンス(大腸がん,消化器内科など)への参加
- 学会、研究会への参加
胃外科グループ週間予定
- 月曜日
- 7時45分より病棟回診
- 火曜日
- 7時45分より病棟回診
17時より外科全体カンファ・ミニレクチャー
18時より胃外科・内科・内視鏡医合同カンファ - 水曜日
- 7時45分より病棟回診
(18時より食道外科・内科合同カンファ) - 木曜日
- 7時45分より病棟回診
- 金曜日
- 7時15分より術前・術後カンファレンス
終了後、病棟回診
(18時より大腸外科・内科合同カンファ)
参加した学会・地方会
第14回関東腹腔鏡下胃切除研究会
(韓国腹腔鏡下手術研究会との共催)
- テーマ1
- 「肥満患者に対するリンパ節郭清」
6番リンパ節郭清
金谷誠一郎(藤田保健衛生大学) - テーマ2
- 「肥満患者に対するリンパ節郭清」
膵上縁のリンパ節郭清
阪 眞(国立がんセンター中央病院) - テーマ3
- 「LAPG後の再建方法」
・細経胃管による再建
(白石憲男、大分大学)
・Circular staplerを用いたアンビル引き挙げ法
(比企直樹、がん研有明病院)
・Linear staplerを用いた食道残胃吻合
(松井英男、東海大学)
・Linear staplerを用いた食道残胃吻合・噴門形成術
(桜本信一、北里大学)
第38回 胃外科・術後障害研究会
ランチョンセミナー
「胃がん術後補助化学療法 展望」 笹子 三津留先生
根治手術後、
- Stage I
- Surgery only
- Stage II
- TS-1 → 投与期間短縮?
- Stage IIIA or IIIB
- TS-1 → TS-1+ CDDP? or CPT-11?
- Stage IV
- TS-1 / TS-1 + α
JCOG胃がん外科グループ
JCOG0501(第III相試験)
・根治切除可能な大型3型・4型胃がんに対する術前TS-1 + CDDP併用療法
12月1日~12月31日
緩和医療科
- 担当患者の回診、治療方針の決定
- カンファレンス、プレゼンテーション
- コメディカルとのカンファレンス
- 腰椎転移に対する骨セメント療法の見学
緩和医療科の1日(1)
- 7時30分~
- 全患者の回診(Mラウンド)
→前日診療内容プレゼン・夜勤担当看護師報告
→訪室→診察→ディスカッション - 10時~
- Sミーティング
→当日、診療計画・指示内容の確認 - 12時~
- カンファレンス(昼食を食べながらの)
(死亡症例,在宅・外来患者についてなど)
緩和医療科の1日(2)
- 13時~
- 各自、担当患者の診察・指示
- 16時~
- pre Eラウンド(レジデントが集まり、情報共有)
- 16時30分~
- 夕方回診(Eラウンド)
→問題症例患者、新患患者プレゼン - 18時~
- カンファレンス
(症例検討会、ラウンドカンファレンス、在宅緩和カンファ)
まとめ
1.研修先において学んだこと
胃がんに対する標準治療、集学的治療の必要性。また、患者個々に応じた緩和医療の必要性。
メディカルスタッフを含めたチーム医療が必要であること。
2.それをどのように教育・臨床に生かすか
実際に臨床で症例を経験する度にフィードバックを行い、さらなる標準化を行う上に患者個々に応じた対応をチーム全体で行う。
3.それを実行するための方策
臨床以外にも、講習会や研究会、学会などに参加することでより多くの知識・手技などを得、臨床に役立てる。
文責 徳島大学 消化器・移植外科 近清 素也