四国がんセンターにおける研修報告
研修期間 | 2018年3月12日~3月16日 |
報告者 | 高知大学 氏原 悠介(助教) |
研修目的 | がん診療・遺伝性腫瘍の研修 |
研修内容 | 遺伝性腫瘍、緩和ケア、婦人科診療 |
1日目(3月12日)
・婦人科小手術見学(子宮頸部レーザー手術)
・婦人科外来見学
・婦人科病理カンファレンス見学
2日目(3月13日)
・遺伝カウンセリング見学
・家族歴聴取
3日目(3月14日)
・家族歴聴取
・遺伝性腫瘍についての講義
4日目(3月15日)
・遺伝性腫瘍症例検討会
・婦人科手術見学(子宮体癌手術)
5日目(3月16日)
・緩和ケアカンファレンス見学
・チャイルドケア
・がん患者さんを亡くしたご遺族のためのサロン
まとめ
1. 研修先において学んだこと
①婦人科がん診療における遺伝性腫瘍の重要性
②がんセンターというがん拠点病院での婦人科診療
③緩和ケアの中でのご家族やがん患者を親に持つ児童へのケア
2. それをどのように教育に活かすか(いつまでに、どのような形で、どこまで)
遺伝性腫瘍については医学部教育の中では国家試験の必須項目ではないものもあるが、今後必要な知識となってくる可能性が高く、教育者としても、遺伝性腫瘍については十分に理解し、講義等で学生に教育できるようにしていきたい。
3. それをどのように臨床に活かすか(いつまでに、どのような形で、どこまで)
婦人科診療において、遺伝性腫瘍は重要な位置づけを担っており、今後、婦人科がん診療を行っていく上で必須の知識となってくる可能性が高いということを認識できた。
平成30年度に家族性腫瘍学会に入会し、平成32年度までに、家族性腫瘍専門医を取得する。
緩和ケアについては、ご家族を対象としたケアは当院においてまだまだ発展途上の段階であり、今後、当院でも四国がんセンターで学んだケアについて取り入れて行きたいと考える。(例:がん患者を親に持つ児童の病院見学など)
4.それを実行するための方策
家族性腫瘍については婦人科医師の中でも認識が低く、通常のがん診療の中では認識されていない可能性がある。今後は個々の症例について積極的に家族歴聴取などを勧め、カンファレンス等で遺伝性腫瘍に対する診療をより充実したものにしたい。
当院では緩和ケア病棟がなく、四国がんセンターのようにがん診療を専門とした臨床心理士もいないので、現時点では四国がんセンターのようにご家族へのケアはできないが、緩和ケアチームや専任看護師、病棟看護師とともに、診療に当たる際にご家族へのケアについて啓蒙していきたい。
文責 高知大学 助教 氏原 悠介