聖路加国際病院における研修報告
研修期間 | 2018年2月13日~2月15日 |
報告者 | 高知大学医学部附属病院 藤原 キミ(副看護師長) |
研修目的 | ①抗がん剤曝露対策の体制作りや取り組みについて学び、自施設の体制作りに活かす ②抗がん剤治療を受ける若年性乳癌患者に対する妊孕性温存を含んだ体制を学び、自施設の取り組みに活かす |
1日目(2月13日)
8:00~8:30
8:40~16:00
・教育センターFDS部部長がん看護専門看護師によるオリエンテーション
・オンコロジーセンターのがん化学療法看護認定看護師などによる同センターの概要について
・同センター化学療法認定看護師による抗がん剤曝露対策の取り組みの紹介
教育体制について
2日目(2月14日)
8:00~8:15
8:15~14:00
【看護師の教育体制と取り組みの実際見学】
・同センターミーティング見学(写真1)
同センタースタッフによる患者ケアの実際をシャドーウイング
14:00~15:30
・同センターがん専門薬剤師による、抗がん剤曝露対策・教育体制、実際(写真2)について
3日目(2月15日)
8:15~8:35
・ブレストセンターカンファレンス見学
8:40~15:00
・同センター若年性乳癌患者に対する妊孕性温存を含む体制と実際を見学
(遺伝カウンセリングや家系図聴取、リプロ外来見学など)
まとめ
1. 研修先において学んだこと
JCI(国際患者安全目標)の認定を受けている病院の医療安全対策の教育~周知徹底、質の保持・向上の取り組み
2. それをどのように教育に活かすか(いつまでに、どのような形で、どこまで)
1)院内の抗がん剤曝露の現状調査実施(2018年4月以降を予定)
目的:①職員の安全な労働環境整備
②現状の抗がん剤の飛散状況や曝露対策後の飛散状況を「数値」として視覚化し、
院内でのデータとして管理するために活用する
対象:全部署はコスト面で難しく、化学療法を実施している3部署(程度)を予定
調査方法:調査を実施している企業に委託し実施
調査前後評価
2)がん治療センター医師を中心にした抗がん剤曝露対策チーム(仮)を結成し、曝露対策の体制を整備
(2018年4月以降を予定)
①メンバー構成(案):がん治療センター医師、医療安全部(薬剤師)、
看護管理室、看護師(外来化学療法室看護師など)
②取り組み内容(案)
・教育体制整備
・現在の抗がん剤曝露対策マニュアルの見直し
・閉鎖式薬物移送システム(CSTD)の導入について
3. それをどのように臨床に活かすか(いつまでに、どのような形で、どこまで)
2.の実施により院内全体に周知徹底されることで、臨床場面に活かすことができると考える
4. それを実行するための方策
上記同様
資料
写真1:ミーティングの様子
(毎日オンコロジーセンターのナースが全員集合し当日の患者の情報交換等についてミーティングを行っている)
写真2:オンコロジーセンター内の薬剤室(安全キャビネット)の様子
(入院・外来で使用する抗がん剤全て、安全キャビネット内で薬剤師がミキシングとCSTDを使用し、
安全な抗がん剤の調整と投与を行っている。)
文責 高知大学医学部附属病院 副看護師長 藤原 キミ